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2008年11月23日 (日)

賃料不払による建物明渡

狩倉総合法律事務所では、賃貸不動産(借地・借家)に関する案件を多数取り扱っています。

今回は、アパート、賃貸マンションなどの借家の賃貸借において、家賃の滞納があった場合の借家の明渡についてご紹介します。

借家をめぐる法律関係は建物の賃貸借契約であり、契約に基づいて賃貸人(貸主)は建物を使用させる義務を、賃借人(借主)は賃料(家賃)を支払う義務を負っています。家賃を滞納するということは、借主が契約上の義務(債務)を果たしていない状態ということになり、債務不履行にあたります。

契約の当事者が債務を履行しない場合、もう一方の当事者は原則として履行を催促(催告)したうえで、それでも履行してもらえなければ契約を解除することができます。家賃の滞納があった場合にも、貸主から借主に対し支払を催告し、それでも支払ってもらえなければ賃貸借契約を解除し、建物の明渡を求めることができることになります。ただし、建物の賃貸借の場合、借家は借主の生活の基盤となる場所ですので、借主の生活への配慮から、裁判例により契約解除に制限が設けられています。例えば、家賃の滞納が未だ1か月のみで、これまで滞納なく支払がなされてきていたといった場合には、直ちに契約を解除することは認められません。

どの程度の期間滞納があれば解除が認められるのかは従前の家賃の支払状況など他の要素も考慮して決まりますので、一律に何か月滞納すれば解除可能と決めることはできませんが、少なくとも3か月程度は必要と思われます。もちろん1~2か月程度の滞納を繰り返し、貸主からの再三の催告にも関わらず支払の遅れが是正されないといった場合には、現状で2か月しか滞納していなかったとしても解除が認められる場合はありえます。

次に、契約の解除が認められる場合、どのように借家の明渡を求めるかをご説明します。通常は、内容証明郵便等の文書により借主に対し明渡を請求します。それでも借主が明渡に応じない場合には、裁判所に対し建物明渡の訴訟を提起することになります。家賃の滞納が長期(半年程度以上)に渡っている場合には、借主が裁判期日で明渡を認めて裁判所における和解が成立しない限り、1回の期日で審理は終わり、その後2週間~1か月以内には明渡を認める判決が言い渡されます。

判決言渡により借主が借家を明け渡してくれればよいのですが、引越にも費用がかかりますので、家賃を数か月に渡って滞納している状態の借主が他に住居を借りるなどし、家財道具を運び出して明渡を行うことは困難な場合も少なくありません。そのような場合には貸主において裁判所に改めて申立を行い、裁判所の手で強制的に明渡を行ってもらうことになります。これを強制執行といいます。通常は裁判所の職員(執行官)が現地に赴き、まずは明け渡すよう催告を行い、3~4週間後に再度現地に赴いて、明渡未了であれば強制的に建物内の家財等の動産を運び出し、明渡を実行します。

これらの手続をとることで賃貸している建物の明渡を受けることができますが、前述のとおり借主は家賃を滞納し、自ら明渡を行うことも困難な経済状態なわけですから、借主から滞納家賃を回収することは困難な場合がほとんどです。資力を有する保証人が付いていれば、保証人から代わりに支払ってもらうということができますが、結局のところ滞納家賃の回収ができずに終わる場合が多いことは知っておいていただきたいところです。また、訴訟や強制執行を行う場合、通常は弁護士を依頼することになると思いますが、その場合には弁護士費用がかかります。さらに、弁護士を依頼するか否かにかかわらず、裁判所に納める訴訟や強制執行の手数料がかかるほか、建物内の動産を運び出すための費用や運び出した動産を裁判所が処分するまでの間の保管費用も実質的には貸主の負担となります。

このように借家の明渡を行うには多くの手間と多額の費用がかかりますが、既に述べたとおり家賃の滞納が長期間に渡っている場合、それを回収することは困難ですので、手間や費用から明渡請求を躊躇していると、その間は家賃収入を得ることができなくなり、結果として回収不能の家賃が高額となることで損害を拡大することにもなります。もちろん手続に要する手間や費用は重要な問題ですので、具体的にどの程度の費用、期間、手間がかかるのかを含め、弁護士に相談していただければと思います。

狩倉総合法律事務所では、冒頭にも書きましたとおり、土地・建物の明渡案件を多数取り扱ってまいりましたので、その経験とノウハウに基づき、家賃不払いによる建物の明渡に関する弁護士費用を定額化し、できる限り減額することに努めています。事務所のホームページをご覧いただけると幸いです。

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